「ダメな男にひっかかる女は、なぜその後もダメな男にひっかかり続けるのか?」
ということだ。
DV、浮気性、ギャンブル狂い、金せびり、甲斐性無し。ちょっと冷静に考えればその時点で恋愛非対象と判断できるはずなのに、それが出来ない女性は少なくない。
泣かされて「もうツラい、別れる」と周囲に宣言するものの、なんだかんだ理由をつけて一向に別れない。なんでだ!? やっと別れたと思ったらまた同じような男と付き合って、同じことを繰り返す。なんなんだテメーは! と良識派の友人なら呆れてしまうところだが、本人は「だってだってなんだもん」とキューティーハニーの主題歌状態で、何の説明もしてくれない。
個人的に何かあったわけじゃないけど、最近身の回りでそういう話がよくあって、不思議だなぁ、なんでそうなっちゃうんだろうなぁと思っている次第です。芸能界でも、ちょっと前の加護ちゃんとか結構そんな状態でした。「だめんずうぉ〜か〜」などという言葉もあるから、今に始まった事象ではないんだろうけど。
このことについて、精神分析学者の岸田秀氏は「ものぐさ精神分析」という本で、「過去ダメな男に泣かされた女は、そんな自分を認めたくない、自分はそんな男に傷つけられるような女じゃない、という心理から、『ダメ男を克服しよう』という思いに至り、再びダメ男に近づいていく」という風に述べていて(今手元に原本がないんで正確ではないですが、大体こんなニュアンスだったと思います)、はー、そういうもんかーと納得した覚えがあります。
だけどこの負のスパイラルは、女性にとってあまりにもかわいそう。誰か恋愛の教祖的な存在の人が、この事態に警鐘を鳴らしてはくれないだろうか。
そこで西野カナである。楽曲「SAKURA, I love you」は、花見デート中にもかかわらず、女が延々と元カレの事を思い出して煩悶するという、今彼にしてみればカンベンしてくれと言わざるを得ないシチュエーションを描いた歌だ。
「もしも君(注:元カレ)の側に居たら/きっと今も泣いてたのに/彼(注:今彼)の側にいたら/ずっとずっと幸せなはずなのに」
とあるから、元カレはそれなりに問題のある人物だったんだと思う。
過去のダメ男を想って、真っ当な今彼とのデート中に悶々とする主人公を、ある種の「イタい女」として描いたのなら、聴き手はこのストーリーを反面教師と捉えることができると思う。だとしたら、すごくためになる曲ですよこれは!
……だけど実際、よく分からなかったんだよね。意図的なのか分からないけど、主人公を「イタい女」として描き切ってないから、「ダメ男のことが忘れられなくて悩んでる自分」を自己肯定しているようにも受け取れるし…。もっとビシッと、スパイラルに陥った女にカツを入れられる曲を期待したいところです。
まぁ、どんだけ大きなお世話なんだよって話なんですが、なんか最近気になっちゃってるんですよね。
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ものぐさ精神分析 (中公文庫) 岸田 秀 中央公論社 1996-01 by G-Tools |
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SAKURA,I love you?(初回生産限定盤)(DVD付) 西野カナ SME 2012-03-07 by G-Tools |








